LED投光器の意外なメリット!いや〜な虫が集まりにくい!?
LED電球には、虫が集まりにくいという特徴があります。多くの虫は明るさに集まるのではなく、紫外線に集まってくるのです。水銀灯、白熱電球などの電球は紫外線を含んでいますが、LEDには紫外線が含まれません。
電灯に虫が集まるのは、虫の「走光性」のため
水銀灯の街路灯の周りに羽虫が大量に群がっていたり、網戸に甲虫がべったりと張り付いていたり、キャンプ場のトイレの蛍光灯に蛾がフラフラしていたり。こんな光景を誰でも見たことがあるでしょう。飛んで火にいる夏の虫という言葉もありますね。なぜ虫が電灯に寄ってくるのかには、いくつか理由があります。 一つは虫が持つ「走光性」です。走光性とは、太陽や月明かりに対して一定の角度を保って移動する習性です。虫は太陽や月明かりを目印に飛ぶ方向を決めると言われていて、光そのものを目指して飛んでいるわけではありません。しかし街灯は近くにあり四方八方に光が出ているので、ぐるぐると渦を描くように飛んでいると光源にぶつかってしまうのだそうです。
もう一つの大きな理由は、「紫外線」
走光性にも関係のある話ですが、もう一つの理由が「紫外線」です。虫の多くは人間に見えている光とは違う光を見ていると言われています。人間にとって一般的な意味での「光」とは、赤から紫色までの可視光線のことを指しますね。しかし光とは、科学的に言えば電磁波の一種です。図をご覧下さい。人間に見えている範囲が狭いだけであり、実は光はこんなに幅が広いのです。 虫の目にとっての光は、人間の可視領域が右にズレているようなイメージです。赤に近い光が見えない代わり、紫外線を見ることができます。虫は低い位置を飛行するために波長の長い紫外線を頼りにしていると言われており、紫外線に集まる習性があります。紫色の花と赤色の花を並べると、より認識しやすい紫色の花に虫は集まるそうです。
画像出典:東邦大学理学部
水銀灯や蛍光灯には紫外線が含まれている
街灯に使われている水銀灯や蛍光灯の明かりには、紫外線が含まれています。水銀灯が発するエネルギーのうち、可視光線に変換されるのはわずか15%!赤外放射が60%、紫外放射が10%、残りは熱として失われてしまいます。 この紫外線は、日光の1000分の一と言われているので、水銀灯を短時間浴びたくらいで肌が日焼けすることはありません。しかし、人間とは可視領域が異なる虫にとって、夜間の水銀灯は大好きな紫外線発生器のようなものなものに見えるのでしょう。 蛍光灯から発せされる紫外線の量も、人間の肌を日焼けさせるようなレベルのものではありません。ただし、美術館などでは貴重な作品が紫外線で劣化することを避けるため、紫外線カットの蛍光灯が使われるなど、配慮されています。
LEDには紫外線が含まれない!
LEDには、紫外線がほぼ含まれないものと、含まれるものがあります。LEDには白色はなく、色を組み合わせて白色に見せています。ひとつは、青色LEDを主体として黄色を発光する蛍光体を組み合わせ疑似白色を生み出す方法。もうひとつは、赤、緑、青、三色のLEDを組み合わせて光の三原則により白色を生み出す方法。最後に、近紫外LEDまたは紫色LEDによって赤、緑、青の蛍光体を光らせる方法です。 紫外線LEDを使った白色照明は、殺菌灯など特殊な用途に使われています。紫外線が出るのはこの最後のタイプのみで、一般的に使われる白色のLEDは青色LEDを主体としています。紫外線量は蛍光灯の約200分の一です。だから、虫が寄ってきにくいのです。
LEDは屋外照明に最適
すべての虫が紫外線に反応しているのではなく、明るさに集まる習性を持つ虫もいます。そのため、すべての虫が寄ってこないというわけではありませんが、多くの虫に対して有効です。 紫外線に集まる虫は、コガネムシ、スズメバチ、カメムシ、アブラムシ、コウモリガ、スズメガ、ウスバカゲロウ、イエバエ、セミ、ユスリカ、ヤガなど。不快なだけでなく、害虫もいますね。 これらが集まらないので、LEDは屋外照明に最適なのです。スポーツ照明だけでなく、駐車場、キャンプ場などにもおすすめです。
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