屋外用の投光器の防塵・防水性能は、どれくらい必要?どこを見る?
「屋外用」と謳っているものなら、どの投光器だって最高峰の防塵・防水スペックであるはずだ、と思われるかもしれませんね。しかし、実際はそうではありません。どれくらいの防塵・防水性能が必要なのか。製品のどこを見たら良いのか。屋外用投光器のスペックの見方を解説します。
浸水や塵は、LED投光器の破損の原因の一つ!
LEDは劣化するフィラメントがないので「球が切れる」ことはなく、理論上の寿命は半永久です。
しかし、実際はLED器具も壊れることがあります。壊れる箇所は、基盤部分の電子回路。
主な故障要因は熱です。放熱が間に合わず基盤が高温になると、コンデンサ(電気を蓄えたり放出したりする部品)が壊れたり、ハンダが取れたりするためです。
また、水や塵も電子回路の故障の原因です。
水や塵が電化製品の故障を招くのは、それが電気を通すためです。思わぬ電気の流れを作ってしまい、ショートします。通電していない状態でもコンデンサが電気を蓄えているため、壊れることがあります。
防水・防塵の保護等級とは?スペックの見方は?
防水性能、防塵性能については、日本工業規格(JIS)で「電気機械器具の外郭による保護等級」という等級が決められています。
IP(インターナショナル・プロテクション)というコードが数字の頭についているので、製品スペックの「IP」という表記を見ます。
IPの表記は、後には数字がつきます。このように二桁の数字がついている場合、前の数字が防塵等級、後の数字が防水等級を表します。数字は数が大きいほど、スペックが高いことを示します。
防水性についてだけ示す指標の場合は、防塵を示す数字をXの表記にして、次のように表します。
投光器の防塵・防水等級はどれくらい必要か
それぞれの等級の内容は次の通りです。
○防塵等級(7段階)
0級 特に保護がされていない
1級 直径50mm以上の固形物が中に入らない(握りこぶし程度を想定)
2級 直径12.5mm以上の固形物が中に入らない(指程度を想定)
3級 直径2.5mm以上のワイヤーや固形物が中に入らない
4級 直径1mm以上のワイヤーや固形物が中に入らない
5級 有害な影響が発生するほどの粉塵が中に入らない(防塵形)
6級 粉塵が中に入らない(耐塵形)
○防水等級(9段階)
0級 特に保護がされていない
1級 鉛直から落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴I形)
2級 鉛直から15度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴II形)
3級 鉛直から60度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防雨形)
4級 あらゆる方向からの飛まつによる有害な影響がない(防まつ形)
5級 あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない(防噴流形)
6級 あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない(耐水形)
7級 一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水することがない(防浸形)
8級 継続的に水没しても内部に浸水することがない(水中形)
防塵等級は、最高性能の6が理想です。6以外は何らかの塵が侵入することになります。
防水等級は、6あれば問題ないでしょう。投光器では水没を想定する必要はありません。防水等級6級は、強風をともなう台風や豪雨でも浸水しない性能です。
屋外用投光器は、保護等級「IP66」を選びましょう!
屋外投光器に必要な防塵・防水性能は「IP66」以上であることがおわかりいただけたかと思います。 しかし、これ以下のスペックの屋外用投光器が、実は沢山出回っているのです。
様々なメーカーの製品を調べてみるとばらつきがあり、最高スペックはIP65でした。IPが表記されていない商品もありますし、国内大手メーカーで屋外用IP44という製品もあります。防水等級4は、飛沫に耐える程度の性能ですので、強風でたたきつけられる雨に耐えられる保証はありません。 日本は沖縄から東北までほとんどの地域が台風の通過点ですし、ゲリラ豪雨が頻繁に起こる昨今、雨の少ない地域でも油断はできないでしょう。 「屋外用」と書いてある製品だからといって、=全天候型ではないということです。
弊社の投光器は、すべての投光器が保護等級「IP65」以上。特に、大型投光器、街路灯、防犯灯は全製品が「IP66」を満たしています。これは、現在国内で販売されている投光器の中では唯一最高のスペックです! ほんとうにそんなに必要?と思われるかもしれませんが、私たちは灯りの信頼性は最重要と考えています。 投光器の故障で施設の一部が使えなくなれば、お客様の営業に少なからぬ影響が出てしまうからです。 投光器選びで失敗しないために、製品は明るさや省エネ性だけではなく、防塵・防水性能も必ずチェックすることをおすすめいたします!
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