投光器を選ぶなら、均斉度もポイントです

LED用語集 その3 均斉度とは?

投光器を選ぶ際には、灯りの「質」がとても重要です。
消費電力が低く明るくても、まぶしかったり、色が悪かったり、ムラがあったり、故障しやすくては、使い物になりません。ここでは、灯りの質を示す基準の一つ、「均斉度」について解説します。

均斉度とは、ムラのなさを示す指標

特定の範囲内の照度分布の均一性を表す指標です。
ムラなく明るいことを「均斉度が高い」と言います。
均斉度は、最も高い照度と、最も低い照度の比率で導き出すことができ、1に近いほど均斉度が高い照明と言えます。

均斉度が低い空間では、目が疲れて作業効率が落ちてしまいます。
身体や視点がそれほど動かないオフィスなら、ワークスペースが明るくて休憩室が少し暗いからといって問題にはなりません。むしろ休憩室の照度を落とすことでリラックス効果が得られるでしょう。
しかし、スポーツを行うフィールドの均斉度が低いのは問題です。プレイヤーがグラウンドいっぱいを走り回るサッカーを想像しましょう。コーナーエリアは眩しいほど明るいのに、センターサークル付近は暗いなんてことがあったら、ボールを見失ったり疲労が激しくなり、プレイの結果に大きな影響を与えてしまいます。

この画像は、弊社で照明の交換を行ったゴルフ場です。
上が導入前、下が導入後。明るさのムラが一目瞭然ですよね。
(この事例について詳しくはこちら

明るさだけではなく、ムラのなさも重要じゃ

JIS規格でも照明の均斉度に基準があります

JIS規格は、照明の照度基準について「維持照度」「照度均斉度」「屋内統一グレア制限値」「平均演色評価数」の項目を設けています。
場所や用途によって、それぞれに具体的な基準があります。例えば、学校の学習空間の製図室は維持照度が750。教室では300、講堂は200です。
均斉度は基準がない項目も多いのですが、工場の作業場、駅の乗降場所など安全や健康に関わる場所には基準があります。最も多く、細かく均斉度の基準が作られているのが、スポーツ施設です。
競技ごとに均斉度の基準が決められており、硬式野球と軟式野球でも違いがあります(軟式の方が均斉度が低い)。
野球、フットボール、サッカー、テニス、バスケットボール、バレーボール、バドミントン、卓球など、ほとんどの競技では、0.7以上の均斉度が基準とされています。

○JIS照度基準(PDF)

均斉度をあげるにはどうしたら良いか?

均斉度を上げる方法として、一つはスポットのように照射するのではなく、広がるタイプの照明を選ぶことが挙げられます。
ただし、光が広がるということは面積あたりの照度が下がる結果、より沢山の灯具を必要とするため消費電力が高くなります。また、明るくしたい部分以外に光が漏れると近隣への光害をもたらす恐れもあります。
そのため、照射したい面積や灯具を設置する高さ、灯具自体の光の広がり方など、複数の条件から最適なものを選ぶ必要があるのです。
適切な灯具を選び、照度分布図を作成して入念な配光計画を立てられるのは、プロならではの技術です。
弊社では、JIS規格の均斉度の基準値以上の数字をご提案しています。
例えば、硬式野球(屋外、内野)の均斉度はJIS規格では0.7ですが、弊社では限りなく1に近い0.94を実現できる配光計画を立てます。
明るさや消費電力だけに注視しがちですが、照明を選ぶときにはこんなポイントもあるのです!

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